先日の続きです。私は以前に信号機の開発設計に携わっていたことがあります。その時の学んだ知識なのですが、「何故歩行者用信号機は上が赤なのか」「何故信号機はピヨピヨカッコーと鳴るのか」「何故緑色信号なのに青色信号と言うのか」「何故雪国には横型信号機ではなく縦型信号機が多いのか」など。先日お聞きしたセミナーの教材の中にも触れられていました。まず「何故歩行者用信号機は上が赤なのか」ですが、これは一番注意したいものが見やすい位置になっているためです。お気づきかもしれませんが、横に並んでいる信号機も一番右が赤になっています。道路の中央側なので一番見やすく配置されているわけですね。それから「何故信号機はピヨピヨカッコーと鳴るのか」ですが、これは視覚障害者への誘導音となっています。京都では「ピヨピヨ」は南北に、「カッコー」は東西に横断可能という合図なのです。また「何故緑色信号なのに青色信号と言うのか」ですが、これは昔から日本では「緑」のことを「青」と呼んでいたことからきています。「青菜」というのに葉っぱは緑色、「青汁」なのに緑の汁、「アオガエル」なのに緑のカエル等々…。要するに「青」や「緑」も広義には「アオ」に含まれていたということです。最後に「何故雪国には横型信号機ではなく縦型信号機が多いのか」ですが、これはすぐにわかりますね。積雪対策です。雪で見えなくなることの防止、信号機の落下防止となっています。是非、雪国へ行く際には信号機に目を向けてほしいと思います。こうやって見ると、「信号機」一つとっても様々な「何故」が存在し、そしてその一つ一つに意味が存在しているわけですね。この一つ一つの意味を「何故何故」と常に疑問を問いかけ、物事の本質について考える癖をつけることができれば、論理的思考力を身に付くと思います。難しく構える必要はありません。例えば、友人と遊ぶ約束をしていて友人が約束の時間を1時間遅れたとしましょう。あなたはどうしますか?多くの人は無条件で怒るのではないでしょうか。しかし、論理的に考えることができる人は「何故遅れてきたのだろう」と本質を知ろうとします。車が混んでいたから、電車が止まっていたから、家を出る直前でお腹が痛くなったから等々、様々な可能性があります。これが「論理的に考える」ということです。このように、日々何気ないことから、論理的な考え方を意識し、訓練することはできます。学習において気持ちに余裕がなく、早く「量」をこなせるようになりたいという焦りから解法を覚えるだけになってしまっていたり、間違っても解答だけを見て理解せずに問題を解き進めていることが無意識のうちにあるかもしれません。しかし、そんなときこそ少し立ち止まり、落ち着いて「何故」を考えることが必要だと思います。皆さんもぜひ試してみてください。http://issieswhisper.blogspot.jp/
2017年6月8日木曜日
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