2015年8月26日水曜日
消えた1000円
今回は夏目漱石さんの弟子の小説家・内田百閒さんが小説の中で出した数学問題。クイズだと思って軽い気持ちで考えてみて下さい。3人連れの女性がリゾート地でホテルに入りました。ホテルのオーナーが「空いているのは総額一晩3万円の部屋だけだ」と言ったので、この3人の女性は1万円ずつ出して泊まりました。しかし翌朝、ホテルのオーナーは「女性のみのグループは2万5000円に割引キャンペーン中」だったことを思い出しました。そのため、間違えて多くもらってしまった5000円を返すよう、ボーイに言いつけて手渡しました。しかしボーイは「5000円は3人で割りきれない」と考えて、自分の懐に2000円ネコババしました。それで、3人の女性には「女性割引です」と言って1000円ずつ返しました。さて3人の女性は最終的に部屋代を1人9000円ずつ出したことになります。計2万7000円です。それにボーイがネコババした2000円を足すと2万9000円。あとの1000円はどこに消えたのでしょうか?さて解答ですが、2万7000円の内訳は「サービス宿泊代2万5000円+ネコババ2000円」です。つまり2万7000円+2000円という計算はネコババを2回足していることになります。本来足すのは何でしょうか?本来足すのは女性に返した3000円です。3万円=宿泊費2万5000円+ネコババ2000円+返却3000円になります。これは今でも数学の問題としてよくつかわれています。お金には敏感だけれども数字構造にはちょっと弱い所がありますよね。そこを上手く突かれた問題だと思います。知らず知らずのうちに、日常生活の中で、誰かが仕掛けた数字構造に騙されてしまっていることが私たちにあるかもしれません。微分・積分など学校の勉強以上にこうした数学的センスは生きていく上で大事なものだと改めて感じる問題の紹介でした。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
鶏口牛後
当塾の父母面談が終わり、学校の3者面談もそろそろ終わる頃です。中3生にとっては進路決定する重要な面談となっているわけですが、保護者様と色々お話させていただく中で、勿論志望校決定の最大の要素が偏差値であることはゆるぎないところではあります。但し「鶏口となるも牛後となるなかれ」という...
-
issie’s読書感想文。またもや山田詠美さんです。作品は「蝶々の纏足・風葬の教室」。今回は「蝶々の纏足」の感想を書いてみます。幼なじみのえり子に支配され、いつも引き立て役の瞳美の女の子二人の物語。このえり子の支配の仕方が支配していると誰にも気付かせないような巧妙さなのですが、か...
-
ぼちぼち生徒のみなさんは学校の面談で前期の成績表をもらう頃かと思います。特に1年生は中学入って初めての成績表ですね。どうだったでしょうか?前半戦を振り返って、もう少し勉強していれば…という後悔はないでしょうか?それは私も同じで生徒の成績を見るときちんと伝わっていなかったのかなぁ…...
-
小学算数の4大テーマ、「数論」「割合」「速さ」「図形」の中の「図形」について、「図形」のセンスを身に付けたいと思っておられる人は多いと思います。僕は「図形のセンス」とはその根本にあるものの一つとして「図形を頭の中で再現する力」だと思っています。では、頭の中で図形をイメージするトレ...
0 件のコメント:
コメントを投稿