2018年4月3日火曜日
映画における因数分解って…?
春期講習中3生の数学では因数分解へ突入しています。僕が好きな北野武さんがおっしゃっておられる「数学できない人が文学とか映画は撮ったらダメ。」というセリフ。なぜかというと「映画における因数分解」というような言い方をするそうです。例えば、ファクタライゼーション、要するに、Xという殺し屋がいます。XがAという人、Bという人、Cという人を殺すときには映像的にはA×Xというシーンを撮らなければなりません。同様にB×X、C×Xというシーンを撮らなければなりません。そこでXは、A・B・Cと関わるわけですね。因数分解になるとXという人が拳銃をもって血を流して歩きます。ただ歩くだけです。その歩いている中にAの死体、Bの死体、Cの死体をただ映します。そうするとXはこういう人を倒したとなるわけですね。細かくいちいち撃つシーンを何回も使わなくてもいいので、これはX(A+B+C)となり、まさに因数分解の考え方そのものです。2乗やルートというような強引にルール的な映像を作ったりもされるそうで、そういったのが無感覚になっている人も多くおられるかもしれませんが、数学的に解釈するとこんな感じになります。また、映画は2時間弱で終わらないと1日4回は回すことができないので、長い映画を撮ったとしても映画館が困ってしまいます。その限られた時間の中でどうやってエッセンスを見せるかが勝負なわけで、そのエッセンスはファクターだから、それをどうやって映像に焼き付け、それを中心に前後の話を想像させるかとなってくるわけですね。因数分解というのは、因数に分解する。つまり、無秩序に見える複数の項の共通因数を見つけてくくり出すということです。共通因数でくくり出すことによって、無秩序に見える多項式を式の積というまったく異なったかたちで認識することができます、すなわち、同じものを異なった様態で認識できるわけです。どうですか?そう考えると因数分解の考え方って奥が深く思えてきますよね。
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